平家の注文住宅を建てるメリット・デメリットや設計時の注意点とは?
平屋の人気は、もはやブームといっていいほどです。自由度の高いレイアウトとセンスを活かせるデザイン性、そして、シンプルな暮らしにもピッタリなスタイル。若い世代だけでなく、退職後の生活を考えるみなさんも惹きつけてやまない平屋とは?今回の記事では、メリット、デメリットの両方の側面から探っていきます。
平屋の注文住宅を建てるメリット
平屋のメリットについて、主に5つの観点からアプローチしていきましょう。
まずは、機能的な動線確保が可能で暮らしやすい、という点です。生活動線の効率性はそのまま快適な暮らしに直結するもの。もしここに問題があった場合、たとえちょっとしたことでも、積み重ねれば取り返しのつかないストレスにもなりかねません。平屋は文字通り、フラットな空間で成り立つものですから、日々の移動もシンプルです。2階建てのように面倒な上下の移動もありません。
デザイン性と間取りの自由さも、注目したいポイントでしょう。ホールのような開放的な空間を設けたり、建物のコの字型に配置して緑あふれる中庭をつくったり、2階建てのような設計時の制限を受けにくいのも特徴。感性やアイデアをふんだんに取り入れて、できるだけスマートに暮らしたい、という人にうってつけです。
バリアフリー化しやすいのも、見逃せない魅力でしょう。とくに老後のことまで考えると、重要な要素となります。2階建てには、どうしても階段のリスクがともなうものです。平屋はその心配がいりません。さらに動線の段差をなくせば、転倒する危険も軽減されます。
このほかにも、間取り上、家族間の意思疎通が増えることで、良好な関係性を築けること、掃除やメンテナンスなど、低コストで、なおかつ管理がしやすいのも、2階建てにはないメリットとなっています。
平屋の注文住宅を建てるデメリット
平屋のメリットはどういったものでしょうか。最大のネックになるのは、建物の構造、建ぺい率の面から、ある程度、広い土地が必要なところです。敷地面積が広くなればなるほど費用がかさみ、固定資産税も割高になります。さらに、2階建てと違って土台となる基礎工事にコストがかかりがちです。住まいづくりをする上で、少々頭の痛い問題といえるでしょう。もちろん、環境面でも気がかりなことがあります。部屋の間取りや隣接する建物などによっては、日当たりや風通しが悪くなり、生活しづらい状況が生まれる可能性も。
また、昨今、増加傾向にある線状降水帯などの集中豪雨により、水害が起こった場合、対処が難しいというデメリットもあります。そして、構造上、外部から侵入しやすいこともあり、防犯面での不安も無視できません。
平屋の注文住宅はどんな人におすすめ?
平屋はどんな人におすすめなのか、考えてみましょう。家族と過ごす時間を大切にする方は、間違いなく候補に挙がります。平屋はフラットだけに、目の届く範囲にいつも家族がいる状態です。
一方、2階建てでは、それぞれが部屋にこもり、つながりが途切れることもあります。毎日顔を合わせると、元気にやれているのか、悩みごとはないのかなど、ちょっとした行動や表情から察知できるもの。別のいい方をすると、昔の日本の暮らしでは当たり前だったことが可能になるということです。
これら以外にも、デザイン性を重視し、ミニマムな暮らしをしたいシングル、老後を見据えた二人夫婦のみなさんにも適している、といえるでしょう。定年退職後、地方の田舎への移住を考えている方にとっても、もってこいの建築スタイルです。
平屋の注文住宅を建てる際に注意するべきポイント
平屋を建てるとき、気をつけておくべく点がいくつかあります。その最たるものが、土地選びです。選ぶ際に基準となるのは、自分のイメージを最大限に実現できるかどうかです。土地そのものの形状はもちろん、周辺環境にも配慮したいところです。念のために、プライバシーの観点からも考察していくことや災害対策としてハザードマップの確認も必要となります。
もうひとつの軸は、間取りについてです。将来的に家族が増えたり、やがて迎える老後のこと考えたりするなど、人生設計に基づいた上での空間デザインが欠かせません。
最後に、費用面のことも忘れてはならないでしょう。低コストを重視し過ぎると、安全性に問題があって、ストレスの多い住まいになることもあり得ます。理想と現実を照らし合わせながら、最も合理的な妥協点を見いだし、よりよい平屋暮らしをしていきたいものです。
まとめ
新築づくりは2階建て以外に考えられない、と思っていた方も、もうすでに平屋の魅力に気づいてしまったかもしれません。モノをあまり所有せず、シンプルでコンパクトな暮らしをしたいなら、平屋はとってもおすすめです。建物の構造もすっきりしていて、管理のしやすさにも定評があります。まず、どんな暮らしをしていきたいか、という核心テーマを考えることで、その後の展開も自然に導きだされることでしょう。今回の記事で紹介したメリット、デメリットをヒントに、今後の住まいづくりに役立ててみてください。
