注文住宅の予算が途中で変わるケースとは
札幌は大きい都市ですので、建売住宅も注文住宅も仕事を受けてくれる会社は数多くあります。ただ、建売住宅の時と違って、注文住宅の場合は当初の予定予算よりも大幅に予算が掛かってしまうことも珍しくありません。そこで今回、札幌で注文住宅を依頼する場合の基本事項と、予算が変化するケースについてポイントを3点程お話しします。
札幌の街の特徴を把握しておこう
注文住宅と建売住宅のどちらの場合も、建築する街の周辺環境を熟知することがよい物件を作るための第1歩となります。札幌は北海道の県庁所在地であり、人口が200万人を超える大都市です。これは規模の上では日本のTop5に入るスケールであり、面積は東京の2倍、単純な大きさだけでいえば香港に匹敵します。
そんな札幌でとくに気にすべきは、冬の積雪です。季節の上では10月下旬には初雪が確認されて、12月には本格的な大雪になることもあります。ただし、街全般の特徴として雪対策はかなりしっかり施されており、札幌は北海道内でも雪で悩まされる度合いは最小限で済むといえます。
年間の平均気温は9℃程で、真冬の1月辺りは-7℃程度、夏場は約26℃が平均気温と考えてください。四季は比較的しっかりわかれていますが、湿気全般が差ほど高くなく全般的に過ごしやすいといえます。こういったポイントを考慮して、家を建てる場合にはしっかりした断熱性をとくに重視する必要があります。
北海道の中でも比較的安定した気候ですので、そこまで極端な寒暖差に悩まされることはありませんが、家を作る素材の段階から優れた断熱性を持った建材を使えば、長期的に見た場合には暖房光熱費等を大きく減らせる効果が期待できます。気密性に付いても同様で、家の隙間が大きければ雪国である以上大きい痛手を被る事も有り得ますので、とくに注文住宅を選択するのであればこの点は最重要視する事をおすすめします。
注文住宅で予算が変わってしまう理由を知っておこう
建売住宅は、施工会社があらかじめ自分達の基準に基づいて設計した建物のことをいいます。でき合いの家といってもよいですが、あらかじめ規格が統一されていることから、注文住宅のような徹底した打ち合わせも必要ありません。その分価格が安くなるのは大きなメリットといえるでしょう。
しかし、自分なりのこだわりがある家を作るという事はできません。中には部分的に家のレイアウトを変更できる作りになっている事もありますが、家の外観については区画単位で似たようなデザインの物が並んでしまうことも多く、悪くいえば無個性に感じられてしまう面があります。
それに対し、注文住宅は簡単にいえばオーダーメイドの家ですので、自分のこだわりを詰め込むことができます。打ち合わせの回数がその分多くなるという点で、手間が掛かるという事はデメリットかもしれませんが、予算の許す限りはどこまでもクオリティ追及が可能であり、建売住宅にはない様な斬新な家を建てる事も可能です。
予算に応じて自由度の高さを優先したり、コストカットを優先したりすることもできます。建売住宅と比べて予算がオーバーしてしまわないように、「これだけは外せない」という優先順位をしっかり決めておくようにしましょう。妥協できる面と、できない面を整理した上で、専門家に相談しながら考えてみてください。
利用者の意見を聞くこととメンテナンス性を重視しよう
予算オーバーのリスクを回避するために注文住宅を建てる場合は、必ず利用者の意見を聞いておく事とメンテナンス性を重視する事を忘れないでください。こだわり追及に固執しすぎた場合に死角になりやすい点として、使い勝手の問題があります。「人のよく通る通路に部屋の出入口を付けてしまい、出会い頭の衝突事故が起きやすくなってしまう」といった例が挙げられますが、イメージ上の動線と利用した際の動線が必ず一致するとは限らないため充分にシミュレーションを行うことが大切です。
また、自分にはまったく気にならない事でも、他の人にとっては大きい障害になる様な作りになってしまう事もあります。そういったトラブルを避けるためには、必ず他の利用者の意見を聞いた上で図面を作る様にしてください。
他にもメンテナンス性も重要で、たとえば旅館の大浴場に感動したとして、同じような大きさの風呂を家に設置したら何が起きるかをしっかり考えなくてはいけません。設置自体は問題無かったとしても、スタッフが複数で掃除をし、設備投資も可能な旅館で使い勝手がよい物と、一般的な個人住宅で使い勝手のよい物はまったく違います。
掃除や修理に専門業者を呼ばなければいけない様な場合には、ストレスとコストが掛かってデメリットしか見えなくなってしまいます。また10年単位先を考えた設計にせず、小さな子どものためのメルヘンな部屋を用意した時はよかったけれど、大人になってから使い道に困ってしまったという様な例も少なくありません。何れも長い目で見たときに予算に大きく関わってくる問題ですので、事前にしっかり考慮した設計をする事をおすすめします。
札幌の立地条件を考慮して、気密性と断熱性をとくに優先した注文住宅を作る事が大前提です。そして、予算が上下する最大の要因は、注文住宅が自分のこだわりをいくらでも反映できる面にあります。そのこだわりにある程度の基準を設定するためにも、優先順位付けと他の利用者の意見聴取、そして具体的なメンテナンス性の面をしっかり検討する事をおすすめします。
